注目度★★★★☆
「一瞬の幸せが胸を締め付ける。義理の姉弟の7日間、永遠の別れへのカウントダウン」 |
義理の姉との7日間生活-6 【内容】 【ストーリー】 起きた時頭に浮かんだ言葉は、「時間が止まればいいのに」だった。 時間は…4時前。 明音さん…大好きな人と1日過ごせるのに、気分が暗い。 そんな事考えてる時間すら勿体無い。 姉と、弟に。 やばい…そう考えるだけで泣きそうになる。 明音さんは…どんな気持ちなんだろう。 「眠れませんか?」 そういえば、3、4時間しか寝てない。 小さい頃、日曜日の朝は決まって早起きだった。 昨日の昼からろくに食べて無いから、腹が鳴る。 外は…晴れているらしい。 この時間なら、近所の人や友達に見られる可能性は低い。 早く成人になりたいな。 成人か…できれば身長は高くなりたいな。 成人になったら…明音さんを幸せにしたいな。 俺達の家は静かな所にあってそれは良いんだけど、 普段はそれが面倒だと感じていたが、今はそれが嬉しかった。 夜道を明音さんとゆっくり歩く。手を繋ぎながら。 住宅街を抜けて、階段を登る。この方が坂を登るより近道だ。 もう明るくなり始めてるけど、月が綺麗だった。 会話は無い。手を繋いだ時から2人とも黙ったまま。 …それも、今日までなんだな。 何となく、明音さんも同じ気持ちなんだろうなってのが分かった。 俺と同じで、幸せだけど、憂鬱な…そんな気持ち。 俺がどう思ってるか、伝えないと。 俺の言葉を聞いた明音さんは、優しく笑ってくれた。 作り笑顔じゃない、本物の表情。 今日が終わる前に、もっとこの笑顔を見たいな。
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