注目度★★★★☆
義装母子5本文:80p 義装母子シリーズ完結編 _______________ 幼い頃からコンプレックスの塊だった。 私には姉が居る。頭が良く、容姿も、妹の私から見ても美人だと思う。 成績もルックスも平均的な私。 親も友人も、恐らく比較している意識などなかったかもしれない。 でも、落胆はしなかった。物心ついた時から「そう」だったから。 姉を羨ましいとは思えど、恨みの感情を抱いた事は無かった。 でもそれは、あの時までの話。
〇〇〇の時、私は恋をした。 意気投合し、彼を含む数人で何度か私の家で遊んだ記憶がある。 でもある日、彼が引っ越す事を知った。 時間が無い。卒業と同時に、彼には会えなくなる。 数日後、私は彼を呼び出した。 気の利いた言い回しも思いつかないまま、「好きです」と絞り出すのが精一杯だった。 「ごめん…俺好きな人が居るんだ」 泣いたのか、怒ったのか…その後の事はよく覚えていない。 次の記憶が始まるのは彼が私の家の前で…お姉さんに告白していた場面。 恐らく…姉にフラれたのだろう事は、去っていく時の肩の落ち具合から察せられた。 私は…動けなかった。怖かったから。 やきもち…?嫉妬…?憎悪…? 彼への恋心が…憧憬が…執念が… 濁流に飲まれていった。 自分の中に…ここまでドス黒い感情が存在すると突き付けられた。 「そっ…か……私って…「選ばれないヒト」…なんだ……」
恋に浮かれて忘れていた。 その後の彼との思い出は…何故だろう…無い。一切。 誰も悪くない。彼も姉も…頭では理解していたし、理解している。 小中高大を経て、社会人となり、夫に出会い、結婚した今も… 本当の私は、あそこに立って、〇さくなっていく彼を眺めている。 止まったまま、まだ動けていない。
ヒナタは…
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